2020年シーズン、助っ人外国人として加入したサンズ選手。
当たりの選手と感じたファンの方も多いと思うのですが、結果の数字を見れば合格ラインギリギリのレベルで落ち着いたかなという印象。
そんなサンズ選手ですが、2年目の来季が本当の勝負だと思いますので、彼の戦力分析をここでやります。
果たしてサンズ選手は来季さらに飛躍するのでしょうか、ぜひ最後まで読んでくださいね。
ジェリー・サンズ3つの戦力分析
サンズ選手の戦力分析に当たって、一番注目したいポイント。
それは、来年のサンズ選手はまだまだ伸び代があるのかどうかということです。
これを知ることで、来季の成績が期待できるかを判断できると思うんですよね。
そこで今回は、3つの戦力分析を通してサンズ選手を解剖しちゃおうと考えています。
後半失速の原因
夏場に大活躍したサンズ選手ですが、後半戦で一気に失速したのは記憶に新しいところ。
この失速がなければ、打率3割も残せたかもしれないし、巨人にも肉薄できたかもです。
なので、終盤の失速はどういった原因で起こったのかについては、分析が必要だと思っています。
想定される原因については、3つほどあります。
ポイント
体力不足でバテた
夏場以降は弱い
弱点の内角攻め
体力不足でバテた
この原因は結構あると思っています。
なぜなら、新型コロナの影響でシーズンが11月までかつ過密日程でもあったからです。
変則的な日程で慣れない状況だったため、後半戦で大きく失速した可能性があります。
サンズ選手の場合、日本での生活が初めてで、ピッチャーも全員初めてなので余計です。
これに関しては証拠となるデータがないのですが、今年が特殊だったので来年は解消される問題でしょう。
夏場以降に弱い
さて、大事なのはここからです。
サンズ選手の傾向として、そもそも夏場以降の時期が弱いのではという疑いです。
まず結論から言うと、その傾向は確かにあるといったところです。
まず、今年の日本での月別打撃成績を振り返ってみましょう。
メモ
6月 11打数1安打 打率.091
7月 81打数26安打 打率.321
8月 88打数23安打 打率.261
9月 93打数26安打 打率.280
10月 83打数17安打 打率.205
11月 21打数4安打 打率.190
7〜9月はコンスタントに打っていたし、特に得点圏での活躍が目立っていました。
ですが、10月から一気に失速してしまい、本塁打もわずか1本しか打てませんでしたよね。
秋のシーズンは弱いのかな・・と思い、2019年の韓国リーグの成績をチェックしました。
メモ
3月 27打数8安打 打率.296
4月 98打数35安打 打率.357
5月 105打数28安打 打率.267
6月 75打数24安打 打率.320
7月 66打数25安打 打率.379
8月 96打数29安打 打率.302
9月 58打数11安打 打率.190
このデータを見て、やっぱり気になるのが9月の成績です。
打席数が少ないですが、一気に成績が下降していて、本塁打もわずか1本でした。
ただ、日本では9月に打率.280と数字を残しているので、季節というよりむしろ終盤に弱いと言った方が正しそうです。
こうなると、もし終盤に優勝争いをしていたとしたら、起用に不安を感じますよね。
体力不足という見え方もするんですけど、最後まで必死に頑張る姿勢に欠けるのかなとも思います。
精神論ではありますが、毎年終盤で失速するのは集中力と姿勢の改善が必要と感じます。
弱点の内角攻め
サンズ選手が苦手な内角を中心に攻められたから、という原因ですね。
これに関しては、正直終盤に打率を下げた一番大きな理由ではないかと考えています。
なぜそう感じたのかと言うと、このYouTube動画を見たからなんですね。
https://www.youtube.com/watch?v=JFDAPVY5h2I
もちろん素晴らしいホームラン集なんですが、サンズ選手のホームランってほぼ真ん中か外角なんですよね。
もともと内角は苦手と言われてましたが、ホームラン含めて内角を上手く打ったシーンをほぼ見たことないんです。
今年、もし内角攻めによって終盤大失速したのなら、これは極めてマズイと思います。
来季はもっと厳しく内角を攻めてくるでしょうし、打率.250を割ってくるなら起用も考え直しが必要でしょう。
色々長々と書いてきましたが、結論としては、
メモ
シーズン終盤の失速は昨年もあったので注意
内角攻めの対策をしないと来季は厳しい
といったところかと思います。
得点圏打率の期待値
さて、次の分析ポイントはサンズ選手の強みでもある得点圏打率です。
彼が来シーズンも残留できた最大の要因は、勝負強いからだと思っています。
サンズ選手の得点圏打率ですが、夏場にリーグトップまで上昇したものの、最後は打率.333でフィニッシュ。
これはセ・リーグで5位の成績なので、上々の数字じゃないかなという印象ではあります。
ただ私が気になるのは、サンズ選手のポテンシャル的に得点圏打率.333からの伸び代があるのかどうなのかです。
それを分析するためには、やはり2019年韓国での数字が必要になりますね。
メモ
2019年韓国での成績
キウム・ヒーローズ 86勝57敗1分
打率.305 28本 113打点 得点圏打率.302
注目すべきは、得点圏打率が.302と打率より低くかつ2020年シーズンより低いこと。
つまり、今シーズンのサンズ選手の得点圏打率はかなり好成績だったと判断できますよね。
言い換えると、2021年シーズンのさらなる上積みは期待してはいけないということです。
昨年の入団前は「韓国の打点王」と騒がれましたよね。
でもデータを冷静に見れば、得点圏打率.302で打点王なのは違和感ありです。
おそらく、強いチームゆえにチャンスの場面が多かったから打点を稼げた、という理由が正しいでしょう。
なので、サンズ選手は今シーズン並みの得点圏打率を来季も残してくれれば上出来。
当然内角攻めが厳しくなると思うので、どう今年並みの成績を残すかが見所かもしれません。
大幅な打率の低下
韓国時代は打率.305だったのに、日本では打率.257へ低下してしまいました。
他国のリーグゆえ数字だけでは判断できませんが、数字上成績が下がったのは事実。
2021年に打率を回復させるためには、どうすれば良いのでしょうか。
まず1つはボールの見極めが超重要だと思います。
なぜなら、サンズ選手は三振の数がかなり多いからです。
韓国時代は144試合で101三振でしたが、今年は110試合で106三振とワースト2位。
日本の方が投手レベルが高いからなのか、まだまだボールを見極められてない印象です。
2年目の来季、ボール球を振らない意識を強く持ってもらえれば、打率が上がると思います。
もう1つは、打順を下げることだと思っています。
理想は、マートン選手のようにアベレージヒッターとして活躍することです。
そもそもサンズ選手は長距離砲ではなくミートがうまい選手だと思っています。
なので、3・4・5番のクリーンナップから外して、6番に置くと良いのではないでしょうか。
なお、内角攻めへの対応も打率向上には大事ですが、サンズ選手も来年34歳。
ベテラン選手の年齢なので、今から内角を克服するのは結構難しいと思います。
それ以外の部分で工夫して対策する、というのが現実的かなと感じています。
まとめ
サンズ選手の成績から戦力分析をここまでやってきました。
来季への伸び代があるかと言われれば、正直そこまでないという印象を持ちました。
ある程度の勝負強さは来季も期待できますが、大爆発するような活躍の期待は禁物です。
激戦区の外野枠ですから、サンズ選手とてレフト安泰ということはないと思われます。
私個人としては、高山・陽川選手をはじめ、新加入の佐藤選手や若き大砲井上選手もレギュラーを争って欲しいと思っています。
果たして来季のサンズ選手は、どこまで飛躍してくれるのか。
はたまた新しい戦力がレフトの座を奪うことになるのでしょうか。
今から楽しみなところですね!